検査結果の見方

大分三愛メディカルセンター<三愛総合健診センター>にて健康診断の検査後、届いた結果の見方についてご説明しております。基準値・正常値等も示しておりますので、 ご自身の結果と見比べながらご覧ください。

  • 検査項目
  • 検査の内容・意義
  • 基準値

身体計測

標準体重肥満度BMI

標準体重=(身長m)2×22で求めます。BMI=(体重kg)÷(身長m)2は肥満の指数で、体脂肪率とも相関し、統計的にBMI=22前後の人が最も病気になりにくいといわれています。肥満は高血圧や糖尿病など生活習慣病(成人病)の原因となり、BMI=25以上は注意が必要です。

  • 肥満度 20~24%
  • BMI 18.5~24.9
腹囲

おへその位置で測定します。内臓脂肪がどの程度蓄積しているのかの目安になります。血圧、血中脂質、血糖値などの結果と合わせてメタボリックシンドロームの診断に用います。

  • 男性 85㎝未満
  • 女性 90㎝未満
血圧

収縮期血圧を一般的に最高血圧、拡張期血圧を最低血圧といいます。肥満や運動不足、ストレス、過飲が高血圧の原因になりやすく、放置すると動脈硬化が進行し、脳卒中や心筋梗塞の原因になります。血圧平均は下図参照。

  • 収縮期/拡張期
  • 130/85mmHg

聴力検査

聴力

会話式(肉声を使った簡易検査)、またはオージオメーターで中・高音域(1000・4000Hz)の聴力を検査します。加齢、環境騒音、耳疾患や種々の疾患により聴力障害を生じます。

 

視力検査

視力

裸眼視力、矯正視力を計測します。矯正のバランスが悪いと、眼精疲労や肩凝り、頭痛の原因となることがあります。

 
眼圧

眼圧検査では、空気圧により眼球内圧を測定し、緑内障のチェック、早期発見をします。緑内障は高眼圧のために視神経の機能障害をきたす疾患で、放置すると最悪の場合失明することもあります。早期治療が大切です。

 
眼底

網膜の異常を検索し、眼の疾患を早期に発見します。また、眼底血管の性状から糖尿病性の変化や全身の動脈硬化度を推察します。

  • Sheie Hは高血圧性の変化
  • Sheie Sは動脈硬化性の変化

尿検査

尿蛋白

尿蛋白は、健康な人では陰性。腎障害、腎炎などで陽性となりますが、発熱時や過激な運動で陽性になることもあります。尿検査の前日の飲食や過ごし方には注意が必要です。

  • (-)
尿糖

健常人では陰性。糖尿病などにより血糖値が高値になると尿糖が陽性となります。陽性の場合は糖尿病を疑い、さらに詳しい検査を行います。

  • (-)
尿潜血

尿に血液が混じることを尿潜血といいます。腎臓、尿管、膀胱、尿道、前立腺などの疾患で陽性(プラス)となります。そのほか原因として、遊走腎、激しい運動の後に陽性となることもあります。

  • (-)
尿ウロビリノーゲン

健常人でわずかに検出され、正常は「±」です。胆道系の障害で胆汁が排出されない場合は陰性、肝障害で血中ビリルビン値が上昇すると強陽性となります。

  • (±)

血液検査

白血球

白血球は病原体から体を守る役割を持ち、感染症などの炎症性疾患や白血病などの血液疾患で異常値を示します。また、過度の喫煙でも上昇することがあります。喫煙者で白血球が多い方は節煙あるいは禁煙後、再検してください。

  • 3600~9000/μL
赤血球 ヘモグロビン ヘマトクリット

赤血球中のヘモグロビンは酸素を運搬する重要な役割を担っています。ヘマトクリットは血液中の赤血球濃度を表します。いずれも貧血を調べる検査で、鉄分の摂取不足や出血、悪性腫瘍の存在で減少することがあります。

  • 赤血球
    • 男400~560 万/μL
    • 女380~480 万/μL
  • ヘモグロビン
    • 男13.5~17.5 g/dL
    • 女11.0~15.0 g/dL
  • ヘマトクリット
    • 男38.0~52.0%
    • 女33.0~45.0%
血小板

血小板は血管の損傷部位に付着し、凝集して止血する役割を持っています。減少すると出血傾向、過剰になると血栓形成の原因となります。血液疾患や慢性肝炎、肝硬変の場合に低下することがあります。

  • 10~40万/μL
AST(GOT) ALT(GPT)

血液検査のAST・ALTは肝臓に多く含まれているため、肝機能検査として重要な項目であり、ウィルス性肝炎や、アルコール性肝障害、脂肪肝などの肝機能障害で数値は上昇します。また、AST(GOT)は心臓や骨格筋にも存在するため、心筋梗塞や筋肉疾患でも上昇します。

  • AST(GOT)8~40IU/L
  • ALT(GPT)5~35IU/L
γ-GTP

肝機能障害以外に胆石や胆道閉塞性疾患、膵疾患などで上昇します。過飲によるγ-GT(γ-GTP)単独の上昇がある場合は飲酒を控えてください。

  • γ-GTP 0~50IU/L
血清アミラーゼ

炭水化物(でんぷん)を分解する消化酵素で、唾液や膵液に含まれます。膵臓、唾液腺の炎症や障害時に上昇します。

  • 39~134IU/L

腎機能検査

尿素窒素

腎機能障害時に上昇するほか、高蛋白食や激しい運動、脱水などにより上昇する場合があります。

  • 8~22㎎/dL
クレアチニン 不要になった蛋白の最終産物で、腎臓から排出されます。腎機能障害時に上昇します。
  • 男性 0.6~1.1㎎/dL
  • 女性 0.43~0.7㎎/dL
eGFR(推定腎糸球体濾過量)

推定腎糸球体濾過量は年齢、性別、血清クレアチニン値から算出される数値で、腎機能障害の指標となります。

  • 60 mL /min/1.73 ㎡以上

糖代謝検査

血糖

糖代謝検査では糖尿病が調べられます。血糖は、体のエネルギー源として大切な役割をしています。主にインスリンというホルモンにより、血糖値は一定の範囲内にコントロールされており空腹時109mg/dl以下が標準です。110mg/dl以上では糖尿病の可能性があり、糖負荷試験による精密検査をする必要があります。

  • 110mg/d未満
HbA1c

ブドウ糖と結合した赤血球ヘモグロビンの割合です。過去1~2カ月間の平均的血糖値を反映するので、糖尿病患者の血糖値コントロールの評価に用います。また、6.5%以上であれば糖尿病と診断します。

  • 5.6%未満

脂質代謝検査

総コレステロール

血中に含まれる脂質で、HDLコレステロール(善玉)やLDLコレステロール(悪玉)などの総和を表しています。ホルモンや細胞膜を作るうえで大切なものですが、増えすぎると動脈硬化を進展させる原因となります。

  • 128~219㎎/dL
中性脂肪

中性脂肪とは体内で最も多い脂肪で、糖質がエネルギーとして脂肪に変化したものです。過食過飲や運動不足で上昇し、基準値より高い状態が続くと皮下脂肪や内臓脂肪になって体重が増加したり、動脈硬化を進展させたりして、脳梗塞や心筋梗塞の原因になります。中性脂肪を下げるには、油の多い食事やアルコールは控えたほうが良いでしょう。

  • 30~149㎎/dL
HDLコレステロール

善玉コレステロールといわれるもので血管にたまったコレステロールを肝臓に運び、動脈硬化を予防する働きがあります。運動することで増加し、喫煙で低下します。40mg/dl以上が望ましい数値です。総コレステロールが高くてもHDLコレステロールが高いなら問題はありません。

  • 40~96㎎/dL
LDLコレステロール

肝臓で合成されたコレステロールを末梢へ輸送をしている悪玉のコレステロールです。動脈硬化を進行させ、脳梗塞や心筋梗塞の原因となります。140mg/dl未満が望ましい値ですが、高血圧や糖尿病などの生活習慣病や喫煙歴のある方は120mg/dl未満に、狭心症や心筋梗塞の既往のある方は100mg/dl未満にコントロールしてください。

  • 70~139㎎/dL

尿酸代謝検査

尿酸

蛋白質の一種であるプリン体が代謝される際に生じるものが尿酸で、飲酒や肉食、腎機能障害時に上昇します。高い状態が続くと、結晶として関節に蓄積して痛風発作と呼ばれる関節痛を起こします。また腎結石の原因になることがあります。

  • 男性 3.6~7.0㎎/dL
  • 女性 2.3~7.0㎎/dL

血清検査

CRP

健康な人では陰性。感染症や膠原病、悪性疾患で上昇し、治癒すると消失するので、疾患の重症度、病状変化の評価に利用します。

  • 0.3㎎/dL未満
RA

リウマチテスト。慢性関節リウマチ、膠原病、肝疾患などで陽性となるほか、健常人でも数%が陽性を示すため、RAのみ陽性でCRP、血沈値などの炎症反応が正常であり、関節症状が伴わなければ臨床的に問題はないことが多いです。

  • 20IU/L以下
TPHA定性(TP抗体)

梅毒感染の有無を調べます。治癒しても陰性化しません。

  • (-)

血清蛋白検査

総蛋白

血液中に含まれる種々の蛋白質の総和で、個人差も大きく、一日のうちでも変動します。肝機能障害や悪性腫瘍がある場合に低下します。

  • 6.7~8.3g/dL
アルブミン

総蛋白の中で肝臓で作られる主要な蛋白であり、体の各構成要素の原料になります。肝障害時、栄養不良、消化吸収不良、ネフローゼ症候群などで低下します。

  • 4.0~5.0g/dL
A/G比

体の構成要素の原料蛋白であるアルブミンと細菌や異物を排除する抗体蛋白であるグロブリンの比を表します。肝機能障害、炎症反応や悪性腫瘍が存在するときに低下します。

  • 1.0~2.0

便検査

便潜血(免疫法)

大腸、直腸、肛門などの消化管からの出血があると陽性になります。大腸ポリープ、大腸癌のほか、痔からの出血や裂肛でも反応しますが、便の潜血反応があった場合、その3%に大腸癌が存在するといわれています。陽性反応もしくは自覚症状のある場合は精密検査をお勧めします。

  • (-)
便虫卵検査

便虫卵検査では、便中の寄生虫卵を顕微鏡で観察し、寄生虫感染の有無を調べます。

  • (-)

腫瘍マーカー

CEA

大腸・胃などの消化器癌、肺癌で上昇します。また、喫煙の影響でも上昇するので、喫煙者で陽性の方は、節煙後、再検査をして値が低下することを確認する必要があります。

  • 5.0ng/mL以下
AFP

原発性肝臓癌で上昇します。慢性肝炎、肝硬変のある場合は、定期的にAFPの経過観察をするとともに、腹部超音波検査で肝腫瘍の存在をチェックする必要があります。

  • 15.0ng/mL以下
CA19-9

膵臓癌、膵炎で上昇します。

  • 37.0U/mL以下
PSA

前立腺癌で上昇します。前立腺肥大でも軽度上昇します。

  • 4.00ng/mL以下